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陸上装備研究所一般開放

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2015年11月3日(火・祝)、入間基地航空祭が賑わっている中、陸上装備研究所の一般開放に行ってきました。

今回で4回目となるこの一般開放。
毎回陸上装備研究所で研究開発している装備品が公開されるので注目しているのですが、今年の目玉はハイブリッド動力システム。


プリウスに代表されるハイブリッド車はすっかり一般的になりましたが、それを装軌車に応用してみようと言うのがこちらになります。
車体は73式装甲車をベースとして発電及び高速時に使用するディーゼル・エンジンと低速時に使用する電動機。そしてリチウム電池やIGBT回生インバータを組み込んだもの。
まだ試作段階なので、あまり配置とかは検討されていません。

ただ車体側面にはあちこちにメンテナンスハッチが設けられています。


上部にある緑色の箱がリチウム電池の蓋。
車体中心部が一段高くなっていますが、そちらは人員の搭乗スペースとなっていて、測定機器が置かれていました。


こちらは前面のアップ。



左側面の写真を合わせると、操縦席の右側にエンジンがあり、左下に電動機やインバータなどが収められている様に思えます。

装甲車両にハイブリッド動力システムを採用するメリットとしては、燃費の他に静粛性が上げられます。
ただ、エンジンが静かになっても装軌車特有のキュラキュラという履帯音は消えないので、そちらについては鉄製の履帯をゴムに変える開発も同時に行われています。


ゴム履帯は音の他にも重量の軽減による低燃費や低振動などの効果もあるそうですが、反面鉄製と比較して耐久性に難があるとのこと。
こちらはハイブリッド動力システムだけでなく、10式の試作4号車などでもテストされているそうです。


残念ながらハイブリッド動力システムのデモは行われませんでしが、その代わり昨年初公開されたCBRN対応遠隔操縦システムの2号車によるデモが行われました。

2号車は排土装置搭載形態だった1号車と違い油圧バケットアーム搭載形態で展示。
落ちている丸太を把持装置で掴み、別の場所に移動させるデモと、タイヤを把持するデモを行いました。






デモではコンクリートの地面を引っ掻いてしまってましたが、実際に施設科の隊員が使うと数回で習熟して使いこなすことが出来るのだとか。


CBRN対応遠隔操縦システムについては福島第一原発事故の後、既存の技術をまとめて急ぎ作られたもののため、今後はまずセンサ技術を中心に新たな開発を進めたいとの意向を持っているようで、平成28年度の概算要求でも要求されています。

予算といえば10月1日に防衛装備庁が設立され、陸上装備研究所が属していた技術研究本部もそちらに統合されたのですが、車両の側面などの表示はそのままだったので、今朝慌てて上から防衛装備庁のシールを張ったそうです。なんだかな~。


他にも展示室の中で以前技本シンポジウムにて展示されていた迫撃砲の誘導砲弾などの話を聞くことが出来大満足。


来年度には軽量戦闘車両システム(LCV)の試作車が納入されるそうなので、是非公開をお願いします。

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